【コーヒー生産者STORY part2】生きるための知恵
どもっす!
最近9時間睡眠のいーちぇです。
今日も新シリーズpart 2!
リッさん
前回記事にしたギッさんへのインタビューのあと、もう一人とお話させていただきました。
それが、同じくJCFC組合員のリッさん。
ギッさんにリッさん、、、ラオス人の名前は発音しにくいものが多い、、、
こちらがリッさん。
年齢は34歳と組合員の中では若め。昨年結婚したばかり。
リッさんが栽培したアラビカ種のティピカコーヒーは、日本に輸出されているそう。
もしかしたら、みなさんもリッさんのコーヒーを飲んでいるかもしれませんね。
リッさんからは、家計を助け、もしものリスクに備えるための生産者としての知恵を聞くことができました。
知恵その1
リッさんはアラビカ種ティピカの他に、ロブスタ種 というコーヒーも栽培していました。
ロブスタ種のコーヒーは、アラビカ種ティピカより栽培がしやすく、さらに多くの実がなります。ただ、そのぶん販売価格は低め。
味はアラビカ種のコーヒーほどよくないですが、缶コーヒーやインスタントコーヒーなどに使われるため需要があります。
リッさんは、彼のロブスタを収穫したあと、チェリーから生豆まで加工していました。
どうやって加工するかというと、ナチュラルプロセスという精製手法を用います。チェリーを天日干しして、数日間乾燥させたところで、脱穀機で一気に生豆にしてしまうのです。なので、先日お話したパーチメントの状態は省かれます。
JCFCはロブスタ種の買取を行っていないので、生豆は仲買人に販売しています。
これのどこが知恵なのかというと、仲買人に販売するのは別に生豆である必要はないのです。
多くのコーヒー生産者が、彼らの栽培したロブスタ種をチェリーのまま販売しています。その方が、すぐに現金が手に入るので。
ただ、リッさんはナチュラルプロセスを行う時間と手間を惜しまず、生豆にまで加工しています。そうすることで、チェリーで販売したとき以上の現金が手に入ります。
そして、それだけでなく、生豆にすることで長期間保管できるというメリットもあるのです。
チェリーは収穫したその日に仲買人に売ってしまわないと、傷んでしまうため売り物になりません。
しかし、生豆にしてしまえばそのようなことはありません。だから、仲買人の買取価格が上昇する頃合いを待って、値段が高くなったタイミングで販売することができるのです。
リッさん、若手なのにやりますねー!
ただ、だからと言って、「それなら全員生豆にすればいいじゃん!」ということではなく、組合員によっては、ロブスタはチェリーのまま販売して早めに家計にお金を入れたいという人もいます。
それは、各組合員の家計戦略によるのです。
知恵その2
この地域のコーヒー生産者が、主に栽培してるコーヒーは3種類あります。
先ほど話にでた、アラビカ種ティピカ、ロブスタ種。
そして、もう一つがアラビカ種とロブスタ種の交配種であるカティモールです。
しかし、リッさんはこの他に、2種類も栽培していました。
一つ目がジャワというコーヒー。その名の通り、インドネシアのジャワ島を産地とするコーヒーですね。
セータプン村では、彼だけが栽培しているそうです。
そしてもう一つが、カトゥワというコーヒー。
栽培が比較的簡単でカティモールに似てるそう。
これがカトゥワの葉。
先端が白くなる。
そして、こちらがカティモール。
カトゥワと違い、先端が緑色。(見分けが難しい、、、)
栽培する種類を増やすことによって、例えば、ある種が病気で収穫できなかったとしても、他の種類でカバーすることができます。
さらに、売り先に関しても、ある種の売り先が急になくなってしまったとしても、他の種類が売れれば、収入がゼロになることをまぬがれます。
リスクを分散しているわけですね。
まとめ
その他にも、窒素を土中に補うためにコーヒー農園にピーナッツを植えたり、ジャックフルーツを使って有機肥料を作ったりと、いろいろな取り組みをしていました。
ただ、そのようなノウハウを実践してない人や村があるのも事実。
どのように、そのような人々の意欲を掻き立て、組合全体でコーヒーのクオリティを向上させるのかは、組合の課題でしょう。
その時には、リッさんのように先にチャレンジをしていた人の成功例が、キーポイントになるかもしれませんね!
それではまた!