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炊飯器があれば米が炊けるように、焙煎機があればコーヒーが焼ける。

おラオス!

トレーサビリティ 〜おにぎりとAくんと、時々、おばあちゃん〜

 

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どもども、いーちぇです!

 

 

突然ですが、おにぎりって美味しいですよね。

ぼくも大好きです。

 

ただ、おにぎりにまつわる

ちょっとしょっぱい思い出があるんです、、、

 

 

 

おにぎりの思い出

 

あれは小学生の頃、ある友達Aくんの家に遊びに行ったときのことでした。

 

Aくん「 おにぎりあるんだけど、 いる? 」

昼過ぎゲームをして盛り上がってた後に、Aくんがそう言ってくれました。

 

おにぎり大好きなぼくは、すかさず

 ぼく「 おにぎり!? いるいる! 」

 

友達の家でお昼ご飯とは恐れ入る。

いただきます。

もぐもぐ、、、

 

うまい!

この塩加減、絶妙ですな。

 

一通り食べ終わって、ちょっと気になって聞いてみました。

ぼく「このおにぎり誰が握ったの?」

 

もしかしたら、Aくんのお母さんかな?

結構美人だもんなー、、、

 

 

Aくん「いや、うちのおばあちゃんだよ」

 

ぼく「、、、!!」 

 

 

なんだこの感覚は、、、!?

彼のおばあちゃんが握っているところを想像すると、

控えめに言って、すごいいや。

 

おいおいなんだこの塩味は、、、

おばあちゃんの手のエキス!?

手洗ってるのかな、、、

 

それ以降、Aくんがくれるおにぎりは遠慮するようになりましたとさ。

 

ぼくが自分で握ったり、ぼくの家族(父さん以外)が握ったりしたものなら大丈夫なのに、、、

 

 

でも、なぜこんな気持ちになったんでしょうか。

 

 

 

トレーサビリティ

 

 

またまた突然ですが、トレーサビリティって言葉をご存知でしょうか。

 

トレーサビリティ: traceability)は、物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態をいう。日本語では追跡可能性(ついせきかのうせい)とも言われる。

                             (Wikipediaより)

 

最近食品会社がこぞってこのワードを使っていますが、要は

「私たちはこの製品がどこで誰の手によって作られたか知ってますよ!」

ってことを言ってるわけですね。

 

そして、その情報を消費者に提供する。

消費者はそれをもとにその商品を購入するか判断するわけです。

 

でも、そんな情報ってあまり目にしないし、

そもそもみんなあまり気にしてないでしょう?

 

 

つまり、何が言いたいかというと、

みんな、Aくんのおばあちゃんのおにぎりを口にしちゃってるよ!? いいの!?

ってことなんですよ。 (Aくんのおばあちゃん、ごめん)

 

 

誰が作ったものかを知らないまま食べるというのは、自分が「この人が作ったものは食べたくないな」と思ってる、その人が作ったものを食べてるかも、ということです。

(ぼくの場合Aくんのおばあちゃん)

 

 

そして、ぼくはAくんのおばあちゃんが握っていると知って、次から食べることを控えました。

つまり、Aくんのおばあちゃんのおにぎりは食べないという選択をしたわけですね。 

 

知って初めて判断できるわけです。

これはトレーサビリティのおかげ。

 

そして、違う選択肢をとることができます。 

自分でつくろう。とか

Aくんのお母さんのなら食べよう。とか

 

 

しかし、Aくんのおばあちゃん嫌いなぼくでも(←失礼)

彼女が握ったおにぎりを食べる可能性があります。

 

それは、Aくんのおばあちゃんに手を洗ってもらうこと。

そして、その事実をぼくが知り得ていること。

 

それだったら、ぼくも食べてやろうじゃないか!(←ほんと失礼)

 

 

実際、食品会社は途上国の生産地で、

食品の栽培方法をオーガニックにしたり、労働環境を向上したりしてますよね。

そうすることで、消費者に納得して購入してもらおうとしてるんです。

 

 

 

トレーサビリティの難しいとこ

 

でも、他人の家にまで行って、わざわざ

「おにぎりを握る前には手を洗ってくださいね!」

って言うのは、なかなか難しいですよね。

 

 

ここで、ぼくたちが普段食べている食品に話を戻しましょう。

 

さっき言ったオーガニック化や労働環境の向上は、日本国内でも大変なのに

日本から遠く離れた途上国とかならなおさらです。

 

 

まず、誰が作っているかを知るまでが大変だし、

(例えば、ラオスのコーヒーは、協同組合や仲買人が農民から買い集めているので、誰が作ったかを知るのは困難です。)

 

誰が作ったかわかったところで、こう改善して欲しいと言ったら断られることもあるでしょう。

(他に買い手がいれば、わざわざ作り方を変える必要がありません。)

 

 

国内のトレーサビリティが、ぼくの父さんに手を洗うことを求めるレベルだったら、

海外のトレーサビリティは、それこそAくんのおばあちゃんに手洗いを求めるレベルなんです。

一気に難しいですよね。

食品会社さん、大変、、、

 

 

しかし、このおばあちゃんのおにぎり問題は現実なのです。

 

 

 

なら、どうするか

  

ぼくたち消費者にできることと言えば、誰がおにぎりを作っているか知ろうとすること

でしょう。

生産地の環境を直接改善することはなかなかできません。

 

 

でも、誰がつくっているか知ることで、初めてどの食材を選べるか選択することができる。

そうすると、その一人一人の消費運動を、食品会社が読み取ってくれる。

「お、消費者がトレーサビリティに気を遣っているな」と。

こうして、生産地の環境の改善が促されるのです。

 

 

そうなれば、生産者は労働環境が改善されて、嬉しい。

ぼくたち消費者は安心な食品を買えて、嬉しい。

食品会社もそれで儲かって、嬉しい。

三方よし。

 

 

「なんだ、消費者は知ることしかできないのか!」と思いました?

 

しかし、食材の出所を知るだけでも結構大変。

(ぼくも全くできていません、、、)

 

 

 

Aくんのおばあちゃんのおにぎりを思い出したこの機に考えてみます。

Aくんのおばあちゃん、ありがとう。

 

久しぶりに、おばあちゃんのおにぎり食べたくないこともないかも。

 

 

 

 

 

そうでもないかも、、、

 

 

それでは、また!